ECサイトの売上改善というと、広告運用やSEO対策、新商品の投入などに目が向きがちです。
しかし、私が携わっているShopifyサイトで最初に着手したのは、売上を増やすことではなく「固定費の見直し」でした。
どれだけ売上が上がっても、利益が残らなければ事業は安定しません。
特に中小規模のECサイトでは、毎月発生するアプリ利用料や外部サービス利用料が想像以上に利益を圧迫していることがあります。
1. 気づけば増えていた月額コスト
私が担当を引き継いだ当初、このサイトには20個以上のShopifyアプリや外部サービスが導入されていました。
もちろん、それぞれ導入した理由はあります。
しかし、
- 現在はほとんど利用していない
- 他のツールで代替できる
- Shopify標準機能で実現できる
といったものも少なくありませんでした。
特にメールマーケティングツールは、月額300ドル近い費用が発生していました。
年間にすると約3,600ドルになります。
2. 最初に行ったこと
まずは導入されているアプリと外部サービスをすべて洗い出しました。
そのうえで、
- 本当に利用しているか
- 売上や業務効率に貢献しているか
- Shopify標準機能で代替できないか
- 他ツールと機能が重複していないか
- 担当者が変わっても運用を引き継げるか
を1つずつ確認していきました。
新しいアプリを探す前に、「今あるものを整理する」ことから始めたのです。
3. 理想の施策よりも、まず持続可能かを考える
新規顧客獲得では、Google広告とMeta広告のプランニング・配信設定を行いました。
例えば、ポイント施策、会員ランク施策、レビュー依頼、メール自動配信、LINE連携、レコメンド表示などです。
どれも売上改善につながる可能性があります。
しかし、実行前に必ず考えるべきことがあります。
それは、
- 現在入っているアプリで実現できるか
- 新しいアプリが必要な場合、月額コストはいくらか
- 継続運用にどれくらい手間がかかるか
- 担当者が変わっても操作しやすいか
- データ取得や効果測定が簡単か
という点です。
どれだけ良い施策でも、運用が複雑すぎたり、担当者しか扱えなかったり、毎月のコストが大きすぎたりすると、長く続けることが難しくなります。
特に中小規模のECでは、「できること」よりも「続けられること」を重視する必要があります。
4. 現在のアプリと運用体制から施策を選ぶ
今回の見直しで大切だと感じたのは、新しい施策を考える前に、まず現在の環境を把握することでした。
すでに導入しているアプリでできることは何か。
Shopify標準機能で代替できることは何か。
現在の担当者のスキルで無理なく運用できることは何か。
この順番で考えると、施策の選び方がかなり現実的になります。
理想の施策に合わせてアプリを増やしていくのではなく、現存するアプリ、運用体制、担当者のスキルから逆算して、持続可能な施策を選ぶ。
この考え方が、小規模ECでは特に重要だと感じています。
5. アプリを減らした結果
見直しの結果、アプリ数は20個以上から10個以下まで削減することができました。
また、メールマーケティングツールも運用を見直し、月額約300ドルだったコストを約100ドルまで圧縮しました。
単純計算でも、
- 月額200ドル削減
- 年間約2,400ドル削減
となります。
削減率で見ると約67%のコスト削減です。
派手な施策ではありませんが、利益へのインパクトは決して小さくありません。
6. 固定費削減だけではない効果
実際にやってみて感じたのは、コスト削減以上の効果でした。
例えば、
- Shopify管理画面が見やすくなった
- ページ表示スピードがあがった
- 運用ルールがシンプルになった
- 新しい担当者への引き継ぎがしやすくなった
- 施策の優先順位を判断しやすくなった
などです。
Shopifyは非常に柔軟なプラットフォームですが、便利だからとアプリを追加し続けると、気づかないうちに運営が複雑化してしまいます。
7. 売上を伸ばす前に利益を守る
EC運営では広告費や新規顧客獲得施策に注目が集まりがちです。
もちろん、それらも重要です。
しかし、広告費を増やす前に、現在発生している固定費を見直すだけで利益が改善するケースもあります。
新しいツールを導入する前に、
「この機能は本当に必要か?」
「Shopify標準機能で代替できないか?」
「担当者が変わっても運用できるか?」
を考えることも大切だと感じています。
8. まとめ
今回の見直しでは、
- アプリ数を20個以上から10個以下へ削減
- メールマーケティングツール費用を月額約300ドルから100ドルへ削減
- 年間約2,400ドルのコスト削減
を実現することができました。
ECサイト運営では売上向上施策が注目されがちですが、まずは利益が残る仕組みを整えることも重要です。
そして、施策を考えるときは「やりたいこと」だけでなく、「現在の環境で無理なく続けられること」も同じくらい大切です。
長く運営しているShopifyサイトほど、一度アプリや外部サービスの棚卸しを行い、固定費と運用体制の両方を見直してみることをおすすめします。

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