ShopifyでSMSマーケティングを半年運用してわかったこと

アメリカECでSMSマーケティングが有効な理由

越境Shopify ECサイトにおいて、「メルマガは送っているけれどSMSは送っていない」

というShopify運営者は日本ではまだ多いと思います。

アメリカをターゲットとするECサイトを運営する中で、OmnisendのSMS機能を導入し、半年ほど運用した結果、

「アメリカユーザー向けのSMSマーケティングは有効だといえる」という体験を得られました。

今回はその導入から運用までを実データを交えて紹介します。

目次

ところで、日本でのSMSの印象ってどのようなものでしょうか?

おそらくカード会社や銀行など企業からの「認証コード」「配送通知」としての用途が多いですよね。

あるいは、ネガティブなものであれば「迷惑メール」。そんな印象が多いのではないでしょうか。

一方アメリカではECサイトの「SALE告知」「クーポン」「カゴ落ち」などマーケティングチャネルとして広く活用されています。

EC向けマーケティングツールでもSMS連携が標準機能になっているケースが多く、Omnisendもその一つです。

2. OmnisendでSMSを始めるまで

ここからは、実際にOmnisendを使ってSMSマーケティングを始めるまでに行った設定を紹介します。

Omnisendはメールマーケティングだけでなく、SMSの配信にも対応しています。

ただし、メール配信の設定が完了しているからといって、そのまますぐにSMSを送れるわけではありません。

特に今回はアメリカの顧客を対象にSMSを配信するため、以下の準備を行いました。

  1. SMSを利用できるプラン・クレジットの確認
  2. アメリカ向けSMS送信に必要な電話番号の取得・認証
  3. ShopifyとOmnisendを連携し、SMS配信可能な顧客を取得

ここでは、それぞれの設定について順番に紹介します。

① SMSプラン|まずSMSを送信できる状態にする

Omnisendでは、メールとは別にSMSの送信料金が発生します。

私がSMSマーケティングを開始した時点では、Legacy Proプラン(旧プラン):月額90ドルを採用し、登録者数4,500人程度でした。

下記の明細を見るとわかりますが、このプランの同額料金がSMSのクレジットとして毎月配付されていることがわかります。

この90ドルの範囲で配信料金が足りない場合は、月額10ドルからSMS Credits Subscriptionを追加購入することもできます。

月額プラン料金以上のSMSを配信することが毎月確定している場合は、継続追加購入の設定をしている方がいいでしょう。

アメリカ宛のSMSは1通あたり0.015ドルです。ちなみにカナダ宛ては0.025ドルとなっています。(※旧プラン契約・2026年8月現在)

私が今運営しているサイトでは他にオーストラリア、韓国、台湾などの顧客にも一定数SMS配信登録者がいますが、アメリカ、カナダが一通あたりの配信料金が最も安い部類です。

アメリカのみに配信する場合、単純計算では、

90ドル ÷ 0.015ドル ≒ 6,000通

SMSの配信登録者数が300人だとすると、1通あたりを全員に配信するとして、月に20通を配信できる計算になります。

数百人規模の顧客リストからSMSマーケティングを試してみたい場合、比較的小さな予算からスタートできることも、Omnisendを選んだ理由のひとつでした。

2026年5月以降、SMSの料金体系が変更

Omnisendでは2026年5月4日からSMSの料金体系が変更されています。

私のようにそれ以前から有料プランを契約しているユーザーには従来の料金体系が適用されていますが、2026年5月4日以降に新しく契約した場合、Free・StandardプランではSMSを利用できず、基本的にProプランでSMSを追加する形になっています。

また、新料金ではアメリカ・カナダ向けSMSは、送信量に応じたボリューム料金制となり、1通あたり0.007ドルから利用できます。

そのため、これからOmnisendでSMSを始める場合は、公式サイトで現在の料金体系を確認してから導入することをおすすめします。

② US送信用設定|アメリカへ送るには電話番号の認証が必要

SMSクレジットを購入したら、次にアメリカへSMSを送信するための設定を行います。

Omnisendからアメリカ・カナダの顧客へSMSを送る場合、送信元となるToll-Free Number(フリーダイヤル番号)を取得し、認証を受ける必要があります。

自社でアメリカの電話番号を用意する必要はありません。

Omnisend管理画面の、Store Settings > SMS

から「Generate phone number」を選択すると、SMS送信用のToll-Free Numberを取得できます。

取得した電話番号について、どの企業が、どのような目的でSMSを送信するのかを登録し、番号の認証を受けます。

Omnisendの「Verify Number」ボタンから申請を進めますが、その際、登録時には、主に以下のような情報を入力します。

  • 担当者名
  • 会社のメールアドレス
  • 電話番号
  • WebサイトURL
  • 会社情報
  • Business Registration Numberなどの事業者情報
  • SMSをどのような目的で配信するか

アメリカ法人でなくても申請できます。

SMSの登録フォームも審査対象になるため、さらに、SMSを受け取る顧客からどのように配信同意を取得しているかも確認されます。

認証時には、実際にWebサイト上で使用しているSMS登録フォームなどのスクリーンショットを提出します。

私は以下のようなサイト内で表示される、SMS登録の同意を求めるポップアップ画面をスクリーンショットして提出しました。

アメリカ向けSMSでは、顧客が電話番号を入力しただけではマーケティングSMSを送れるわけではありません。

そのため登録フォームでは、

  • 電話番号入力欄
  • SMSを受け取ることへの同意
  • 配信停止方法
  • Privacy Policyへのリンク(別ページで用意)
  • Terms and Conditionsへのリンク(別ページで用意)

などを適切に表示しておく必要があります。

③ Shopifyとの連携|SMS配信可能な顧客をOmnisendへ同期する

最後にShopifyとの連携です。

すでにメールマーケティングでOmnisendとShopifyを連携している場合、SMS専用に改めて別のアプリをShopifyへ追加する必要はありません。

ShopifyとOmnisendを連携すると、以下情報がOmnisendへ同期されます。

  • 顧客情報
  • 注文情報
  • 商品情報
  • メール・SMSのマーケティング同意情報

管理画面Store Setting > Connected StoreにてShopifyとの連携が確認できます。

3. 実際に半年間どう運用したか

実際にアメリカ向けShopifyストアでOmnisendのSMSマーケティングを半年間運用してきた方法を紹介します。

すでにブランドや商品に関心を持っている顧客へ、行動するきっかけを与えるチャネルとして活用したいと思い、運用しました。

約100名の小規模配信からスタート

SMS導入当初は、SMSマーケティングへの同意を取得できている約100名から配信をスタートしました。

メールのように最初から大人数へ配信するのではなく、

  • どのような内容に反応があるか
  • どれくらいの頻度が適切か
  • 売上につながるか

以上のことを意識しながら最初の2か月は配信していました。

メールを補完するチャネルとして利用

SMSはメールの代わりではなく、短く・すぐ伝えたい情報を届ける補助チャネルとして使っています。

主な配信内容は、以下。

  • セール開始
  • セール終了前のリマインド
  • VIP顧客限定キャンペーン
  • 購入を促すリマインド
  • ショップの重要事項のお知らせ(送料変更など)

SMSは文章の長さで料金が変わるのですが、配信したものは全て価格が一番安くなる短いテキストでの配信でした。

  • 「何があるのか」
  • 「いつまでなのか」
  • 「どこから確認できるのか」

を短く伝えるようにしていました。

下記は「セール終了12時間前の告知」ですが、割引率、ディスカウントコード、サイトの該当ページのURL掲載のみのシンプルなものでした。

配信頻度は月15〜20通程度

現在はキャンペーンの状況に応じて、月15〜20通程度配信しています。

ただし一定間隔で機械的に送るのではなく、セール期間中は増やし、特に知らせる内容がない場合は配信を控えています。

通知のわずらわしさは、顧客の購読解除の要因となります。

また配信時間にも気を配ります。Emailと違い、SMSは携帯へのダイレクト通知となるため、時差も考慮して深夜の時間帯は避け、日中、もしくは夕方の早い時間に配信するようにしていました。

AutomationでもSMSを活用

一斉配信だけではなく、OmnisendのAutomation(自動配信メール)でもSMSを利用。

例えば、新規メルマガ登録者へのWelcomeクーポンメールや、カート遺棄した顧客へのリマインドとして自動配信する設定をしました。

このようにメールを送った後、一定時間待ってSMSを送るなど、メールとSMSを組み合わせたフローを作ることもできます。

4. 配信結果

2026年2月から配信スタートし、6か月のSMSのパフォーマンスです。

送信数クリック数クリック率受注数売上費用ROAS
2月1091311.9%0¥0.00¥245
3月5097113.9%0¥0.00¥1,551
4月6066911.4%2¥118,492¥1,788約66.3
5月1,31920915.8%1¥68,700¥4,494約15.3
6月2,3942098.7%2¥125,421¥6,536約19.2
7月1,22917013.8%1¥131,476¥3,941約33.4

メルマガのクリック率が平均して1~2%と考えて比較しても、SMSの方は8~15%と非常に高いです。

スタートした2か月は売上が出なかったものの、高いクリック率に手ごたえを感じていましたが、

4月、掛けた費用に対して最大でROASは約66.3という結果には非常に驚きました。

Omnisendの計測結果は数値が高めに出る傾向にありますが、同時にGA4でも月に平均して4~5万円の売上の計測結果が出ているので、ROASは充分にあると言えます。

SMSは、メールに代わるマーケティングチャネルというよりも、メールでは届きにくいタイミングで顧客の行動を後押しするチャネルとして有効だと感じました。

特にアメリカ向けECでは、少人数からでも低コストでテストできるため、すでにSMSの配信同意を取得できている顧客がいるのであれば、一度試してみる価値はあると思います。

5.日本企業でも使える?

少なくとも日本の一般消費者向けECにおいて、アメリカのようにSMSが主要なマーケティングチャネルになる可能性は、現時点では低いと考えています。

その理由として、一番大きいと思えるのは日本におけるLINEの存在

SMSとLINEはECにおける役割がかぶりやすく、LINEの日本における一般への普及率(なんと80%との調査も!)とリッチなコンテンツにおいて、比較するとやはりLINEに圧倒的に軍配があがります。

アメリカにはLINEに近い存在としてWhatsAppがありますが、日本におけるLINEほど圧倒的な存在感はないと見ています。

アメリカでは、LINEのように企業のマーケティングチャネルとして広く定着したメッセージアプリがないことも、SMSマーケティングが浸透している一因ではないかと考えています。

6.まとめ

正直なところ、実際にアメリカ向けにSMSマーケティングを始めるまでは、これほど有効なマーケティングチャネルになるとは期待していませんでした。

日本ではSMSを販促目的で受け取る機会が少ないこともあり、当初は「迷惑メッセージと思われて、かえって敬遠されるのでは」という懸念のほうが大きかったからです。

アメリカ在住のスタッフから、現地ではSMSマーケティングが広く利用されていると聞いても、実際に配信するまでは半信半疑でした。

しかし、半年間運用してみると、少額の投資から想像以上のROASを得られたことは大きな驚きでした。

また、SMSから直接売上として計測されていない場合でも、セールやポイント、新商品の情報を手軽に確認してもらえるため、顧客にブランドを思い出してもらうリマインダーとしての役割も感じています。

SMS単体ですべての売上を生み出すというより、メールやその他のマーケティング施策を補完しながら、結果としてEC全体の売上を押し上げる。そのような使い方に、SMSマーケティングの価値があると感じた半年間でした。

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この記事を書いた人

・Lunariq Studio (ルナリックスタジオ)代表
・フリーランスShopify ECディレクター

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